石器。それは人類が初めて手にした実用的な道具。なぜか石器は私を魅了する。
こんにちは。今日は夏休みの自由研究にもってこいの、石器を作ったお話をしようと思います。
先日投稿した「縄文生活の想いをまたひとつ」で少し触れましたが、小学生の頃の私は歴史漫画の縄文時代が大好きで、放課後は縄文時代の人々を真似て遊んでいました。その1つに、石器づくりがあります。
小学3年生の頃、私はマンションに住んでいました。その敷地内の砂利の中に、薄く欠けやすい石や、打ち付けると割れやすい石、磨くと削れる石があることに気付きました。そして矢じりと石包丁を作る事に夢中になりました。
石器をつくる上で最も大切なポイントは石選び。石器の原料として有名なのは黒曜石ですが、敷地内に黒曜石はありません。そこで、石を片っ端から叩いてみて、思うような形に割れてくれる石を探しました。おあつらえ向きの石を見つけては、材料箱に入れて確保していました。
いよいよ石器づくりです。石を打ち付ける角度を変えてみたり、叩く石の種類や形状を変えてみたり、工夫に工夫を重ねて時間も忘れて石器づくりに没頭しました。その結果、博物館で展示しているような見事な矢じりと石包丁を作る事ができました。
打製石器をいくつか作る事に成功した私は、今度は磨製石器を作ろうと思い、改めて石を探しました。そして見つけた石が粘板岩という岩石のかけら。この石は、水で濡らしたコンクリートのどぶ板の上で磨くと面白いように削る事ができ、これまた博物館にあるような見事な磨製石器ができました。
石器ができると、今度はそれを使ってみたいと思うようになりました。しかし、ここで壁にぶち当たります。矢じりを、どうやって矢の「棒」に取り付けるのか、その方法が分からなかったのです。当時、私が見た歴史漫画や博物館の展示物には、矢じりを取り付けた棒の絵や写真、展示物はありませんでした。それでも作ってみたい一心で、野原に生えていたシノダケをのこぎりで切り出し、ナイフとタコ糸を使って矢じりを固定することに挑戦しました。結果的にうまく固定することができず、矢じりは矢になる事はありませんでした。今の私がタイムスリップしたら、きっと憧れのおじさんになれるんだろうな。
小学生の頃の私はこうしていろんなものを作って遊んでいました。矢じりを作ったことで、矢の棒をつくる事ができるようになり、矢ができれば弓を作りたくなり、弓ができればより強力な飛び道具が作りたくなる。まさに、石器時代から縄文時代までの道具の進化の過程を、遊びの中で実践していました。
そして小学5年生になると、近所のタケちゃん(ボウイスカウトのお兄さん)の影響もあり、秘密基地という住居づくりに夢中になりました。当時の理想は立て穴な式住居とツリーハウスを作ること。これは話せば長くなるのでまた別の記事に譲りますが、立派なものではありませんが、いくつか実際に作りました。石斧を作って、畑の松の木を勝手に傷つけてひどく叱られたこともあります。
そんな小学生だったので、遊びと言えば常にアウトドア。おもちゃが無くても家を出ればすべてが遊びの宝庫でした。そして大人になった私の遊びは、やっぱりものづくりです。自分で作れるものは自分で作る。工夫して作る過程が純粋に面白い。でも、何か特定の物を作るのが好きなわけでは無く、生活に必要なあらゆるものを作っている。こうした特性は仕事で生きる部分がある一方、できれば、何かつくる事を中心に生計を立てる事ができれば最高だなと思う。
話は戻って、石器のお話し。実は、小学生の頃に作った石器は、二十歳の頃まで大切に保管してありました。結婚を機に荷物の整理をした際に自然にお返ししました。もしかするとどこかの子供が「石器みっけ!」と興奮しているかもしれません。
季節は夏。子供たちは夏休みに突入しました。夏休みの宿題と言えば自由研究や自由工作。レパートリーの1つに石器づくりを入れてみてはいかがですか?小学生の中には、石器や縄文時代に興味を持つ子もいるのかな?
今日もありがとうございました。