こんにちは。今日は1年半ぶりに、つくばエクスプレス線「流山おおたかの森」という駅のある街に行ってきました。
今年で開業17年目になる「つくばエクスプレス(通称TX)」。日本でも最後かもしれないと言われた大規模な鉄道新設事業で、現在も沿線は開発途上です。開業前は広大な森林が広がっていた流山おおたかの森周辺は、今では森林の面影は全くなくなり、大型ショッピングモールとマンションが林立する都市になっています。シムシティというゲームがありますが、それを地で行っている街です。隣駅の「柏の葉キャンパス駅」は、東京大学や千葉大学、終点のつくば駅には筑波大学の他、JAXAなどの研究機関が拠点を置いています。そのような環境もあり、千葉、茨城にありながらも、沿線一帯は高学歴かつ高収入の世帯が多いようです。
流山市内にはTXの鉄道駅が3つあり、そのうち2駅がターミナル駅となっています。市では開業当初から「母になるなら流山」のキャッチコピーで話題となったプロモーション活動を行うと共に、世帯収入高めの子育て世帯をターゲットにした魅力的な商業施設を誘致するなど、新駅開業を最大限に活用する施策を展開してきました。その結果、2016年からの5年間で人口が24,061増加し、全国の自治体で上位から5番目の増加数となりました。
そのような情報を知ってはいたものの、なかなか現地に出かける機会がありませんでしたが、本日現地に赴くことができました。すると街は様変わりしており、私の記憶の中にあった森林の風景やそれが更地に造成された風景と重なり、街はこうして作られるのかと妙に感心しました。一方で、この街に住まう人たちは何を生業とし、どのような過程を経て移住してきたのかということに思いを馳せました。
駅近くに一番最初に開業したショッピングモール「おおたかの森S・C」は、突如更地に現れた豪華な施設でした。これを皮切りに、近隣にはオシャレで少し値の張るお店が多く集まってきました。現在ではかなりの数の商業施設が開業しており、それらの供給を満たすだけの旺盛な消費が存在することを示しています。
一見すると華やかで賑わいと活気に溢れ、雰囲気の良い成功した街の様に思えますが、街全体が消費を前提とした生活スタイルを体現しており、そこに住む人々は消費が止まると生活の満足感が著しく低下するように思えます。良いものを買って、飽きたらさらに良いものを買う。こうして消費を繰り返す先には、どんなに買っても満たされない心と、多い支出を支えるために労働時間が増加する未来が見えます。
子育て世帯がこうした環境で生活することは、彼らの子供にも消費を前提とした生活習慣を植え付けることに繋がる可能性があります。こうした考えから、私は子供をショッピングモールに連れていくのを躊躇しました。
一方で、自分で作れるものは自分で作り、生活する上で必要な最小限の物やサービスを購入する生活習慣があると、生活の満足度が高まると考えています。例えば、本棚を1つ買いたいといった時に、たまたまイメージどおりの寸法とデザインのものがあれば買うかもしれないですが、家具と家具の間の微妙なサイズにピタリと収まるようなものは自分で作るしかありません。
こうして自分で作った本棚には愛着も沸くし、何か不具合があったり、サイズを変えたくなった場合には自分で直すこともできます。何より、自分で作る事で作るスキルが向上し、次に何かを作る時は今よりもっと上手に出来るようになります。つまり、やればやる程、完成度も満足度も上がるという訳です。ここが、買う場合との大きな違いです。
買えば買うほど満足感が下がる世界と、作れば作る程満足感が上がる世界。そうは言っても日々の忙しさに流されて自分で作る時間なんてないよ、という人も多いと思います。しかし、少しづつでも自分で作る生活にシフトし、資本主義の呪縛から解放される道を私は選びます。
縄文時代の英知に現代の有用な技術を融合させ、生活の自給自足率を高める取り組みを通じて、消費せずとも生きることそのものを楽しむ社会を実現させる。それが、縄文生活の名に込められた想いの1つです。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。