先日、塩ビパイプを曲げる作業を行いました。塩ビパイプは硬質塩化ビニル管の略称で、給排水工事で使われるグレー色のパイプです。直径も大小様々なサイズがあります。塩ビパイプは我々の生活を陰で支えてくれています。先日投稿した「【井戸ポンプの修理】約10年ぶりに復活」の記事でも、塩ビパイプを使った施工箇所の写真が掲載されています。
施工方法の今昔
現代の一般的な施工では、塩ビパイプを曲げる際に「接手」と呼ばれる曲げ方向の決まった部材を用いて専用の接着剤で接合する方法が採用されます。この施工方法のメリットは、作業者の技能レベルの違いによる仕上がりのバラツキが小さいことが挙げられます。
今でこそ当たり前となった接手による施工ですが、塩ビ管が使われだした当初は別の工法が採用されていました。
それは、トーチランプ(当時はガソリントーチ)を使って塩ビ管を直接火であぶり、火の熱で柔らかくなったところで曲げてから、水を湿らせたウエスで冷やして形を固定するという方法です。この工法のメリットは、塩ビ管を切断せずにイメージした配管経路を作れるところにあります。
しかし、イメージ通りの配管経路を作れるようになるためには、気温等を考慮したトーチランプでの火加減が必要であり、施工者にはそれなりの腕前が伴う必要があります、
今回、数年ぶりに塩ビ管を曲げる機会があり、キャンプ用のガストーチランプを使い、塩ビ管を直接火あぶりにして直角に曲げてみました。するときれいな90度に曲がり、腕前の劣化が無いことを確認できました。
今度、バルコニーに水道を引く際の複雑な配管経路にも対応できそうです。ちなみに塩ビ管1本の長さは4mあります。4m以上配管経路の場合は、ソケットと呼ばれる接手を使って接続して延長することで、長距離の配管も可能となります。古い工法も、使い方次第では有用です。
それでは、今日もありがとうございました。