大人が本気で遊ぶ。手作り流しそうめんの哲学

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今日は流しそうめん決行の日。7月に友人宅の井戸ポンプの修理をした際に、「今度は流しそうめんをやろう」という事にしていました。前回友人宅で行ったスイカ割りに続き、子供達は流しそうめんに興味深々。そもそも子供たちは「流しそうめん」が何なのか、想像の域を出ない状態ですから好奇心をさらに刺激します。朝食後ゆるゆると作業を始めて、お昼に完成しました。

製作にかかった費用はゼロ円。100%友人と子供達との手作りです。

使った材料はお隣さんの竹林に生える立派な竹。ご近所の方々が本当に良くしてくれていて、大変恵まれた環境です。竹の伐採についても「いくらでも持ってっていいよ」と、快く了承してくれました。お隣さんは、私が訪ねた時には必ず顔を出してくれます。畑も結構な面積を農業指導付きで使わせてくれています。また、近隣の養蜂農家のおじちゃんには、蜂や鶏を見せてもらったり、ここに住み着きたくなる魅力的な場所です。

さて、話を流しそうめん作りに戻しましょう。竹は大人二人で伐採しました。前日には栗の木を伐倒しましたが、竹の幹は中空ゆえに軽くて簡単に切り倒して運ぶことができます。15分ほどで流しそうめんに必要な部材の切り出しが完了しました。

そうめんが流れる長さは5~6m程。まずは竹を半分に割る作業に取り掛かります。私が手斧とハンマーを使って割ろうとしますが、なかなか刃が入っていきません。そこで、友人が薪割りのように勢いよく手斧をふるうと、刃が入りました。そこからは二人で竹を手で引っ張って裂き、あっという間に綺麗に半分になりました。

根元に近い方から鉈を入れます

節の部分は、ハンマーで叩くとパキパキと気持ちよい音を立てて割れます。この作業は子供達もできるので、子供同士で交代しながら割ってもらいました。そして、仕上げに大人がサンダーを使って節の部分を滑らかにします。ここまでの作業で、そうめんが流れる樋が完成です。

続いて、樋を固定する方法を考えます。いくつかの方法を試した結果、敷地内にある沢山の焚き木の中から適当な形状のものを組み合わせる方法が有効でした。

組みあがった流しそうめん台に、井戸の手押しポンプで水を流して動作試験。適度な流速になるように角度を調整します。子供達が葉っぱを流したりして、これだけでも楽しい遊び道具です。さらにここの井戸水の水質は特筆すべきもので、なんのまじりっけもない純粋な軟水です。口に含んだ感覚としては、富士の柿田川の湧水と同じです。これ以上の贅沢があるでしょうか。

さらに、余った竹で蕎麦猪口(そばちょこ)を作ります。節の上下で竹を切断して、サンダーで磨いて仕上げます。竹は先に行くほど細くなっています。これが蕎麦猪口づくりにちょうど良く、子供の手の大きさに合わせて様々なサイズの物を作る事が出来ます。自然は、人間にすべての材料を与えてくれている事を改めて実感。

蕎麦猪口のサイズは自然とバリエーション豊かに
長く使えそうです

さあ、いよいよ流しそうめん本番です。手押しポンプと流しそうめんはとても相性が良いです。流すそうめんの量に応じて、水量を調整しやすいです。手押しポンプは水量が一定でないことも、ながしそうめんを一層楽しくするポイントです。これが蛇口から定量の水が流れるものであったら、面白さは半減してしまうでしょう。何事も変化が脳を活性化させてくれます。

手押しポンプで水量とタイミングを調整
流しそうめんに夢中
意外とすくうのが難しい

そうめん以外のおかずは奥様方が準備。近所で採取したスベリヒユの酢味噌和え、サラダ、鹿肉の直火ローストが、屋外での食卓を彩ります。テーブルクロスがまた、オシャレでいい感じです。

オシャレな屋外の食卓テーブル
直火鹿肉ローストの特性ソース掛け
スベリヒユの酢味噌和え

4歳児から大人まで、流し役と食べる役、撮影する役を交代しながら、楽しみ、みんなハッピーになれる最高の手作りイベントとなりました。

それにしても、今夏、流しそうめんを実施した人はどれだけいるでしょうか。今はコロナ禍です。感染対策の一環と称して、イベントとして流しそうめんを行うところは皆無と思われます。やるとしたら、私達の様に個人的にやるといったところでしょう。自粛ムードのこの世の中は、子供達が本当に可哀そうで仕方ありません。だからこそ、大人が本気で遊ぶ姿を子供に見せるのです。

大人も本気で遊ぼう

大人になってから、「本気で遊ぶ」経験をしたことはありますか?「遊び」は子供だけのものでなく、大人にも必要ですが、日常生活ではなかなか遊ぶ余裕が無いですよね。こうして大人が本気で遊んでいると子供達も自然と付いてきます。

人間は遊びを通じて創造性が鍛えられ、脳の発達や達成能力の向上、自然や人とのコミュニケーションの発展につながります。生活の全てで創造性を発揮していた縄文時代は、まさに毎日が遊びだったのかもしれません。いや、そもそも遊びと仕事の区別は無かったことでしょう。

しかし、現代社会で遊ぶような感覚で生きている人はごくわずかです。日々、「やらねばならない仕事」に多くの時間を割き、やりたいことや遊ぶことを忘れている人が、とても多い気がしています。遊びを忘れた大人たちは、生きることに面白みを感じにくいでしょうし、子供にも、遊びよりも「やらねばならないこと」を優先するように接していきます。

本気で遊ぶ大人を「あいつは子供っぽい」と揶揄する大人もいます。ですが、本気で遊ぶ大人の方が、人間として魅力的だと私は思います。成功している経営者から無名の個人まで、充実感を得て生きている人の多くは、生活の中に遊びの要素が多分に含まれています。

遊びは自分の意思でするもので、他人の指示でするものではありませんし、他人が用意した遊び道具にお金を払って時間をつぶすものでもありません。生活の中を遊びで満たすためには、何事も自分の意思で選択し、行動することが必要です。しかし現代社会には、自分の意思で選択して行動することを歓迎しないムードがあります。自分勝手だとか、変わり者だとか言われる場合もあります。

このような社会になった要因の1つに、教育がありと考えます。特に義務教育には、自分の意思で選択して行動する人間の育成を阻害する要素が含まれてるように思います。誤解を恐れずに言うなら「国家や組織に従順な働きバチ」を育成している印象です。

コロナ禍も3年目になりました。2020年に主流だったデルタ株は姿を消し、2022年8月現在は、重篤化することが稀なオミクロン株に入れ替わっています。それでも、マスク、ワクチン、ソーシャルディスタンスの3点セットの対策は、2020年から変わっていないどころか、新しい生活様式の名のもとに益々、強化されています。世界を見渡しても、湿度の高い高温の真夏に、100%近い国民がマスクを着用している国は日本だけです。これも、自分の意思で選択して行動する事ができない人が多いことの現われでしょう。

感染によるリスクと、マスク、ワクチン、ソーシャルディスタンスの3点セットによるリスクとを天秤にかければ、明らかに後者の選択は間違っています。特に子供達の成長と発達において、極めて大きな障害になっています。ですが、多くの人達は、コロナ禍の3年間の選択が如何に間違っていたかを、後年になってから知ることになるのでしょう。私1人には社会全体をどうすることもできませんが、せめて身近な人達や気付いている人達とは、健全な生活をしているつもりです。

本気の遊びは自らを救う

遊びは創造性を鍛え、脳の発達や達成能力の向上や、自然や人とのコミュニケーションの発展を促します。だから人間は、特に子供には遊ぶことが必要なのです。そして遊びは自分の身を守ることに繋がります。コロナ禍がそれを教えてくれました。人生を豊かに生きる為にも、現代人が縄文人から学ぶことはたくさんあります。

今日もありがとうございました。

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エンライトは、似たような価値観を持つ仲間と共に、新しい暮らしの形を作ることを目指しています。それは、日々の暮らしが遊びであり、学びであり、働くことでもある、「遊暮働学」というライフスタイルです。

現代社会はあらゆる分野を細分化し、専門化することで経済的にも技術的にも成長を遂げてきました。しかし、その副作用として人々の分断と孤立を招き、どことなく不安のつきまとう暮らしをしている人が大勢います。

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この記事を書いた人

千葉県我孫子市出身/二児の父/人生の経営者として生きる40代パパ/手作り生活研究家/里山料理研究家/halu農法・創命農法実践家/薪割りマスター/薪ストーブ活用アドバイザー/住宅断熱アドバイザー/自然エネルギー活用コンシェルジュ/ブログ「縄文生活」運営/電気工事士/ワークショップ講師/
20歳の時にペンション・シャロムヒュッテの臼井さんとの出会いに衝撃を受け、何でも作ることのできる人になることを意識するようになる。3回の転職と日常生活での実践を経て、電気・建築・木工・溶接・配管、金属加工・陶芸・農・野草採取・料理・ワークショップ講師など、生活全般を自給自足できる技能を習得。想像し、アイデアを形にすることが得意。
コロナ禍と友人の死をきっかけに、「人生を主体的にデザインする生き方」、「そこそこの人生から最高の人生へ変化する」ことを強く意識するようになる。
現在の目標はセルフビルドで自宅を建築すること。理想は、誰もが自らの能力を活かし、家族や仲間と共に愉しく暮らせるコミュニティーで生活すること。縄文時代の英知に現代のテクノロジーを融合させたライフスタイルを日本の文化にすることを目指す。

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