現状の生活スタイルを維持するか、それとも思い描く理想の生活スタイルの実現に向けて前進するか、不安と恐れ、希望と楽観といった感情が交互にやってくる日々。今私は、現状の枠という見えない壁に阻まれて、身動きを取りにくくなっています。望む結果を得るためには、現状維持という選択はあり得ません。でも、慣れ親しんだ生活スタイルを大幅に変えようとする時、感情がかなり大きく抵抗します。この抵抗をどのようにして前進する行動に変換していくかが、理想の実現を左右するポイントです。元々人間の脳は現状維持を好みます。現状、生きているのだから、わざわざ危険を冒してまで他の土地に行かなくても良いではないか、という原始的な仕組みが働くわけです。いわゆる、現状維持バイアスというものです。
でも論理的に考えれば、現状維持が有利にはたらくという保証はどこにもありません。たまたま、今まで安定していたように見えただけかもしれないからです。脳は常に楽をしようとします。一度目に入って認識したものは、次に見る時には再認識のプロセスを省略して、「見たこと」にしてしまいます。こうすることで、脳の処理速度を向上させる機能が備わっているのです。ちょうど、パソコンやスマホのCPUの負担を軽減するために、一度開いたWEBページの情報を「キャッシュ」といて保管しているのに似ています。
しかし万物は流転します。私たちの心も同様に諸行無常です。物事は刻一刻と変化するというのが真理です。ですから、意識的に物事を捉え直したり、生き方の点検をするという事をしなければ、気づいたときには沖に流されていたという事もあり得ます。
生き方の点検をするときは人生の時間軸を意識することが大切で、新しい選択肢を検討する上でも役立ちます。例えば、子供を産みたい女性であれば、40歳くらいまでに出産を終えるように取り組む必要があります。60歳となっては、生物学的にその願望はかないません。でも、子供を育てたいのであれば40歳という年齢にこだわる必要はないかもしれません。他人が生んだ子供を養子縁組で育てたり、職業として保育や教育に関わるという選択肢があるからです。
このように、人生の時間軸を意識して行動すれば、現状維持以外の選択肢を見出すことができます。そうはいっても人間はどうしても目先の問題や利益に捕らわれがちです。私の場合、安定的に給与が支払われるサラリーマンです。脳や感情は、安定的な収入源を断とうとする行為に対して、できない理由や現状をあれこれと創り出して抵抗してきます。さらに周囲の人も、世の中そんなに甘くはないよ、などと有難い言葉をいただきます。
しかしここで、人生の時間軸を意識すると現状の枠の外に出るメリットや必要性が見えてきます。最近、私の勤め先の定年退職の年齢が5歳引き上げられて、65歳になりました。今後、年金の支給開始年齢が後ろ倒しされたり、社会保険料が増額されたりすることも目に見えてます。私は今の仕事を65歳まで続けようとは思いません。どうせだったら、自分で仕事をつくって働きたいです。
一般的に、年齢とともに新しいことを始めるのは億劫になりますし、再就職するにしてもよほどの専門性が無い限り納得のいく条件の組織に努めることも難しいかもしれません。かといって、現状のままではやりたいことをやる前に、体力も気力も無くなる年齢になることが容易に想像できます。さらに、副業に制限の勤め先ですから、他所で仕事や収入を自給することに対するハードルが高いのが現状です。ですから、今の仕事を変えるという選択は、早い方が良いという結論に至ります。「今が人生で一番若い日」です。始めるなら今この瞬間と思い、行動を続けていきます。
今日もありがとうございました。