久しぶりの投稿です。毎日暑いですね〜
縁来人が小学生だった頃は、真夏でも33度に届くと「今日は暑い!」と思っていた気がするのですが、今や毎日のように35度超える猛暑日。地球温暖化を否応なしに実感させられます。
さて、そんな7月の猛暑日に、拠点作りの一環として古民家の視察に行ってまいりました。
視察の目的は、リノベーションや維持管理にかかる手間やお金、拠点としての機能性、土地の利活用のイメージ作りを仲間と共有するためです。総勢7名で行ってきました。
茹だるような暑さでしたが、予期せぬ嬉しい出会いもあり、実り多き視察となりました。
一軒目
明治時代に建てられたリノベーション前の建物。これ、文化財級の立派なお宅でした。元、庄屋で使用人も何名か居たという物件だそう。
母屋の他に、倉、納屋、小屋、井戸があり、屋敷林も付帯しています。私達が扱うには立派すぎて、手持ち無沙汰な物件。リノベーションと管理に、かなりのお金がかかる事が推察されました。
でも、この物件を案内してくれた、セルフビルドDIYが仕事になってしまった、というおじちゃんのお話がとても面白くて、縁来人は、「おじちゃんに出会うために、ここに呼ばれたのだ」と直感しました。
古民家の物件敷地内には、おじちゃんが改修工事した作業小屋があります。
それがまるで、世田谷ベースに出てくるような雰囲気の面白い作りで、今はおじちゃんの他に複数の個人事業主が作業スペースとして使っているとのこと。モルタル造形、溶接、木工作業、造園関係の造作などを行なっている様子でした。
そして面白いのが、作業小屋の利用は古民家物件の屋敷の植栽の管理を行うことを条件に使ってもらっているということ。お金の直接的なやり取りではなく、労働の対価として使ってもらうようなシステムをとっているということです。
その後、この物件は複数の問い合わせを受けて、他者で買い手がつきましたが、おじちゃんとは今も連絡をとっていて、今後、おじちゃんの手がける別の物件の新築工事のお手伝いに行くことになりました。
二軒目
一軒目から程近い、縁来人の友人がリノベーションをしている古民家に行ってきました。
築60年程度の純和風の平屋です。
現場は室内の解体作業中で、屋根裏も見え、建物の構造がよくわかる状態でした。縁来人は、この物件の電気設備の回収工事で関わらせていただきます。
ここでは、リノベーションの大変さを実感できました。まず、床は全部、壁と天井は8割方を作り替えます。
住宅設備に至っては全て改修です。新築工事よりも手間がかかるのではないかという印象さえあります。
ただし、新築工事にはない趣や良さがあります。良い材料を使っていて、基礎や土台、躯体全般はかなりしっかりとした造りで、目立った改修ポイントはない様子です。
意外だったのが、土間コンを打っていないことによるプラスの効果が確認できたことです。通常、土間コンを打った方が、床下の湿気を防ぐことができるから、基礎が長持ちすると言われています。
ところがこの物件は逆で、土間コンを打っていないことにより、害虫を捕食する蜘蛛などの生物が床下に繁殖し、それらの食物連鎖が機能することで、住宅の基礎部分を守る効果を発揮しているようなのです。
これは友人の考察ですが、なるほど、確かに基礎、柱の状態はかなり良好に保たれています。この物件の内装の壁は、竹小舞に藁スサを入れた土壁を下地にした漆喰、砂壁で仕上げた真壁構造です。基本的に自然素材でできていますから、シロアリの餌が豊富な環境ですが、その被害は見られません。
時間が醸す和風建築の趣や自然素材中心に作られた良さを生かしつつ、間取りや設備を新しいものに作り変えることで、魅力的な住宅にリノベーションしていくのだということが理解できました。
古民家のリノベーションは、時間と能力と仲間がいれば、最小限のコストでできそうです。しかも楽しみながらやることができれば、なお最高です。しかし、大多数の人は、時間、能力、仲間の3つが整わないため、お金を使って業者に依頼してリノベーションをすることになります。
そうなると、施主は新築工事を上回る何らかの価値やインセンティブがなければ、わざわざ古民家を買ってリノベーションしよう、ということにはなりません。経済合理性の瀬戸際で、難しい判断を迫られる場面も多々あると想像できます。
国内で古民家が放置されて朽ちて行ったり、解体されて古材が流通したりするのも頷けますし、人口減少社会にあっても新築着工件数が減少しない理由も頷けます。
でも、ここは新しいタイプのビジネスチャンスにもなりうる分野だと感じます。もし、住宅ローンを組んで住宅を買うことに何の疑問も持たなかった人たちの価値観に揺さぶりがかかれば、自分でやろうとする人が草の根で広がり、そうした人たちをサポートする需要が旺盛になるかもしれません。
時代の転換点にあっては、有能な指導者や行政機関、政治家が変革を起こすのではなく、草の根で広がった人々の意識の変容が大きな変革を起こすというのが歴史の常です。例えば、女性の投票権が付与されるようになったことや、LGBTの社会的需要などがそれにあたります。昭和世代が当たり前に受け入れていた学校での体罰など、今では犯罪行為です。
このように、社会の変革は、1人ひとりの意識の変容が大きな鍵を握るわけです。
三軒目
車で50分ほど移動し、仲間の友人が利用している古民家で、手製のランチを振る舞ってくれました。日頃はキッチンカーとして胃イベントでの出店をしていますが、この日は特別に場所を確保してのランチ提供です。とても贅沢な時間が流れていいます。
ここはとても気の良い場所でした。建物の背後には森があり、一帯は自然環境が豊かです。
古民家はリノベーションが完了しており、シェアオフィスとして活用されています。この古民家の築年数は不明ですが、やはり60年以上は経っている印象です。
内装の仕上げ状況は、かなりお金をかけている印象です。既存の古材を活用しつつ、新造された仕切り壁は無垢の木と漆喰の真壁構造で仕上げてあり、廊下や便所は無垢で無節の杉板貼りです。床は無垢の檜の無節、サッシは一部を除いて木製サッシ。極め付けは、瓦屋根の裏側に貼られた杉板までも、無節で仕上げられていたことです。これは、かなりの材料費と人件費をかけていますね。
やはり、古民家のリノベーションは、コストをかけただけ、立派な仕上がりになるのだなと感じました。ただしこれは致し方ないのかもしれませんが、屋根裏部屋は暑かったです。断熱性能を確保してのリノベーションとなると、コストはさらにかさむと思われます。ちなみに、エアコンが稼働された部屋内は快適でした。
その後、仲間の友人の自然農の畑を見学して解散となりました。
古民家を活用するということ
今回の視察を通じて、古民家リノベーションのビフォアー&アフターを知ることができ、物件によって、リノベにはかなりの手間とお金を要するという事がわかりました。
縁来人は今後、二軒目に視察した古民家の電気工事をやっていきますので、リノベにあたって実際にどのような課題があるのかということを、身をもって実感できそうです。電気工事については、リノベが進み次第、また別の記事でご紹介しますね。
そして何より、古民家を拠点として仲間と一緒につくるのであれば、仲間同士でどのような関わりや活用をイメージしているかを常日頃共有しておくという事が何よりも大切ですね。良い物件はすぐに売れてしまいますから、購入にあたっては迅速な決断を求められます。実際、この記事を執筆している時点で、一件目に見学した古民家は、売却先が決まったそうです。
迅速な判断をするためのもう一つの要素としては、物件の相場感を掴んでおくということです。エリアを絞ってとにかくたくさんの物件を実際に見たり、地元の人と仲良くなり、売りに出される前に情報を掴むなどの努力が必要です。まずは、周辺環境の確認も兼ねて、拠点候補エリアに足しげに通うことが必要ですね。
全自動の法則がここでも発揮される!
行動していると、様々な出会いがありますね!
一件目の古民家は別の人が購入したのですが、この物件を案内してくれた方がとっても面白いおじさんで、「縁来人はこの人に出会うためにここに呼ばれたんだな。」と直感しました。物件の説明は大変ユニークなもので、それだけでも一つの記事が書けるくらいです。
おじさんは若い頃に2年ほどかけて世界中を周り、帰国後に始めたセルフビルド建築が口コミで評判を呼び、住宅建築を行う会社を起業したのちに、現在は事業を継承して「健康のために時々仕事をしている」という方でした。世界の住宅を見て帰国したら、日本の普通の家の貧弱さに嫌気がさして、自分で家を作りました。
実はこのおじさんとは別日に再開し、ランチを挟んでたくさんのお話をしました。セルフビルドで住宅を作ることも目指していた縁来人にとっては、まさに師匠のような存在。
そしてなんと、「作ってみたいセルフビルドの住宅があるから、最初からやってみないか。」と提案をいただきました。建物のデザインから始まり、積算、工程計画、重機を使った基礎工事、躯体工事、設備工事、内装工事、外装工事、外構工事までの全てです。
来月には早速、おじさんが関わっている工事中の住宅建築現場に入って、内装工事全般のお手伝いをさせていただけることになりました。
まるで、映画の台本に書かれていそうな出来事が、今まさに自分自身に起きています。だんだんと、全自動の法則のレベルが上がっているのを実感します。
ところで、9月以降はとても忙しくなりそうです。稲刈り、友人の古民家の電気工事、おじさんの住宅工事、家庭の行事と盛りだくさんです。幸い健康な身体を有していますので、方々整えながらやっていきます。
行動すれば何かが変わる
行動すると何かが変わる。「地球は行動の星」という言葉を聞いたことがあります。「あの世」には空間、時間が無く、すべての存在が一体で自分と他の存在との分別といった物理的制約が無いため、感情を味わうこともないそうです。そこで、わざわざ、時間、空間、分別といった物理的制約のある「この世」である地球に生まれ、あの世ではできない体験をしているのだそうです。
このことがもし本当にそうだとすれば、生きている間にいろんなチャレンジをした方がお得です。そして、チャレンジするためには、「在りたい自分」を認識する能力が必要です。この能力は何も特別なものでは無く、人間なら等しく有しているものでうす。
なぜなら、生まれたばかりの人間は、誰が教えるわけでも無く本能的におっぱいを探し、ハイハイして歩き出し、言葉を発するようにプログラムされているからです。でも、歳を重ねるにつれて、この世の意識的、物理的制約を知ることになり、いつしか、「在りたい自分」を認識することができなくなっていくのです。
「在りたい自分」を認識するためには、自分の感情に気づくことが必要です。感情には大きく分けて3つあり、嬉しい、楽しいといった陽の感情、苦しい、ひどい、許せないといった陰の感情、そのどちらでも無い中庸の感情です。現代日本の生活環境は、自分の感情に気づきにくい構造になっています。
子供は学校や習い事といった勉強に忙しく、大人は生活の為の仕事に忙しい。仕事を引退した頃には、自分を振り返るのでは無く、自分以外の物事に意識を向けがち。自らの感情・衝動に根差した行動をとる機会が、赤ちゃんに比べると圧倒的に少ないのです。
成功していると言われる人々は、皆押し並べて行動力のある人です。それもそのはずで、統計学でいうところの、試行回数に比例して出現率が高まることは当然のことです。つまり、成功している人々は、成功の裏でたくさんの失敗をしているとも言えます。エジソンの発明プロセスが良い事例ですね。ただし、筋の良い行動をすることも必要です。
山納銀之輔さんも、先に紹介したおじさんも、自分の感情に素直に生きています。だから2人とも行動力がすごい!ここは素直に見習っていくと良いですね。
そして最後に、行動すると新しい出会いが生まれます。それは、人との出会いに限らず、出来事、機会、環境など、様々です。この、新しい出会いに気づけるかどうかも、自分の感情に気づける能力が必要です。ですから、自分の感情に素直な人ほど、出会いが豊かだと感じることができるようになります。
人間の意識は、98%の健在意識と2%の潜在意識で構成されていると言われています。通常人間は、健在意識をベースに生活を営んでいます。ところが、行動の源泉は潜在意識にあり、何か望まない状況を抱えているのであれば、潜在意識にその原因があるようです。すべからく、潜在意識を書き換えれば望まない状況を転換できるというわけですが、それが難しい。ここが、自分の置かれた状況の改善を試みる上で苦労するポイントだと思います。
潜在意識を書き換える方法として瞑想や催眠といった手法がありますが、どちらも訓練の必要な、ある種の特殊技能とも言えるでしょう。もう少し、お手軽な方法はないかと思いませんか?縁来人は最近、とある方法に気づいたのです。
それは、端的にいうと、自分の周辺環境から得られる情報を意識するということです。もう少し具体的な話もあるのですが…記事の主題からだいぶ逸れた話になってしまいました。話の続きはまた次の機会に。
長文の記事を最後までお読みいただき、ありがとうございました!