5月14日(日)、エンライトが講師を務める「次世代へつなぐ野草サバイバル講座」を無事開催することができました。
当日の天気予報は曇り時々雨でしたが、会場となった「農業技術研究所歩屋様」の我孫子農場は天候に恵まれ、終始雨に降られることはありませんでした。ご参加いただいた皆さま、そして主催の「花と光の学舎 halu未来学園」様、誠にありがとうございました。
総勢35名程度のご参加で、さらにはお子様にもご参加いただき、大変賑やかな講座となりました。
また、延期によりご参加できなくなってしまった方も是非、次回の講座でお目に掛かり、本日の内容も含めてフォローさせていただきたいと思います。
さて、講座では参加者の皆さまで野草を採取し、エンライトが選別しながら解説しました。そして、車で10分弱の距離にある近隣センターの調理室へ移動し、参加者の皆さまを4つのグループに分けた上で、4卓ある調理台でそれぞれ調理に当たりました。
本日の記事では、講座当日に皆さまと一緒に作り味わい楽しんだ13種類の野草料理のレシピを公開します。
シロザの豆腐マヨネーズ和え
- シロザを5分程度茹でてから、10分水にさらす。
- 良く絞ってから、3cm程度の食べやすいサイズに切る(ほうれん草のお浸し程度のサイズ感)。
- 豆腐マヨネーズと和える。
<材料>
・豆腐 1丁(350g:固めの絹ごし豆腐か、木綿豆腐)
・好みの油 大さじ5(菜種、オリーブ、ひまわり、米など)
・酢 大さじ1と2/1
・味噌 大さじ2(お勧めはあゆみ屋の自然栽培味噌「大地」)
・塩 小さじ1
<作り方>
・豆腐を水切りする。
・材料を全てミキサーに入れて、乳化するまでミキシングする。
・味見して、好みの味に調整する。
・冷蔵庫で冷やして出来上がり。
レモン果汁、粒マスタード、胡椒などを入れて、お好みの風味を調整できます。
お味噌はコクを出すために入れています。白味噌を使うと仕上がりが白いマヨネーズになります。
甘みが欲しい場合は、砂糖を入れて調整します。
イノコヅチの胡麻和え
- イノコヅチを5分程度茹でてから、10分水にさらす。
- 良く絞ってから、3cm程度の食べやすいサイズに切る(ほうれん草のお浸し程度のサイズ感)。
- ボウルにイノコヅチを入れて、胡麻和えの素と和えて出来上がり。
<材料>
・すり胡麻 適量(イノコヅチの量に合わせて調整)
・みりん 適量(砂糖、はちみつでも可)
・醤油 適量
イノコヅチやシロザは、ホウレンソウや小松菜と異なり少々パサつく食感があります。また、胡麻和えの素が上手く絡みにくいかもしれません。そのような場合は油を少々垂らしてから混ぜると良く絡んで美味しくなります。野草料理特有のコツです。
イノコヅチとベーコンの炒め物
- イノコヅチを5分程度茹でてから、10分水にさらす。
- 良く絞ってから、3cm程度の食べやすいサイズに切る(ほうれん草のお浸し程度のサイズ感)。
- フライパンに油を適量敷いて火にかけ、ベーコンを入れて、うす茶色の焦げ目が少しつく程度まで炒める。
- ニンニクのみじん切りを入れ、香り立ってきたらイノコヅチを入れ、塩と胡椒で調味しながら炒めて出来上がり。
タンポポとシロツメクサとアカツメクサの酢の物
- タンポポ、シロツメクサ、アカツメクサの花と柔らかい葉を3分程度茹でてから、15分水にさらす。
- 花はそのまま手で絞る。
- 葉は良く絞ってから、3cm程度の食べやすいサイズに切る(ほうれん草のお浸し程度のサイズ感)。
- 器に盛り、三杯酢を掛けて出来上がり。
<材料>
・酢 大さじ3
・醤油 大さじ1
・砂糖 大さじ1
<作り方>
・上記の材料を鍋に入れて火にかけ、湯気が立ったら火から降ろす(沸騰させない)。
・室温になるまで待ってから、冷蔵庫で冷やす。
スイバと卵のとろみスープ
- スイバは2分程度茹でてから、15分水にさらす。※
- スープ用の鍋に鰹節と昆布で出汁を取る。
- 塩、しょうゆ、みりん、酒を入れて一煮立ちさせて味を調える。
- 1のスイバを3cm程度の食べやすいサイズに切り、鍋に入れる。
- 溶いた片栗粉を鍋に回し入れ、とろみをつける。(講座では片栗粉が足りず、とろみが少なかったです。)
- 一煮立ちさせたら、溶き卵を鍋に回し入れ、ゆっくりとかき混ぜる。
- 胡椒を振って、ごま油を回し掛けて出来上がり。
※ 茹出てすぐに、緑色の葉が黄色っぽく変色します。茹ですぎるとクタクタになるので、2分程度が良いようです。ただし、シュウ酸を多く含むため、尿管結石を患ったことのある方は、長めに水にさらすか、食べる量を減らすと良いでしょう。
<材料>
・鰹節 水1ℓに対して20g
・昆布 水1ℓに対して10g
・醤油 適量
・塩 適量
・みりん 適量
・酒 適量
・片栗粉 適量
・黒コショウ 少々
・ごま油 少々
カラシナの炒め物(季節外れ)
- カラシナは小松菜のように、茎から葉の先まで全草を洗い、3cm程度の食べやすいサイズに切る。
- フライパンに油を敷き、中火で熱したらニンニクのみじん切りを入れる。
- ニンニクのみじん切りが香り立ってきたら、強火にし、1のカラシナを入れて炒める。
- カラシナがしんなりとしてきたら、塩、酒の順に入れて味を調える。
- 仕上げに胡椒を振って出来上がり。
<材料>
・油 適量
・ニンニク 適量
・塩 適量
・酒 適量
・胡椒 適量
本来のカラシナの季節は3月下旬から4月上旬までですから、今回のカラシナは季節外れに楽しめてラッキーでした。これは、こぼれ種が再び芽吹き、食べ頃に育ったものと思われます。どのような生き物にも、平均とは違った成長過程を辿る個体がいます。異常気象などの急激な環境の変化に対応するための生き残り戦略の1つと考えられます。人間も同様に、規格外の特徴を持つ人がいます。そのような人が生まれる事は、人類が生き物の一部、つまり自然の一部である証です。
天ぷら各種
<材料>
・小麦粉 適量
・水 適量
・油 適量
・シロツメクサ・アカツメクサの花
・セイタカアワダチソウ
・ヒメムカシヨモギ
・ヨモギ
・クワ
・タンポポの花・葉
・ハルジョオン
- ボウルに小麦粉と水を加え、ダマが無くなるまでよくかき混ぜる。
- 野草を洗い、水を切る。
- 天ぷら鍋に油を入れて加熱する。さえ箸の先に1を付け、加熱した油に垂らし、油の深さの半分程度まで潜った後に、表面まで上がったら、油の温度が適温である証。
- 温度を維持しながら、野草を揚げる。
桑の葉のオリーブ炒め
ホワイトボードにこのメニューを載せましたが、桑の葉の量がそれほど多くなかったために天ぷらの具材に回しました。興味のあった方もいらっしゃると思いますので、レシピを記載します。
- 柔らかい桑の葉を洗い、みじん切りにする。
- ニンニクをみじん切りにする。
- フライパンにオリーブオイルを敷き、中火で加熱したら2を入れる。
- ニンニクが香り立ってきたら、1を入れる。
- ヘラで良くかき混ぜながら1に火を通す。
- しんなりしてきたら、みりん、塩、胡椒(カレー粉でも可)で調味して出来上がり。
<材料>
・桑の葉のやわらかい新芽部分 適量
・ニンニク 適量
・塩 適量
・胡椒(カレー粉) 適量
・みりん 適量
ご飯にかけて食べると合います。パスタに入れてジェノベーゼ風にしても美味。
桑の葉はクセが無く、味噌汁、ナルム、新芽は柔らかいままサラダなど、あらゆる料理に使えます。お茶にすれば手軽にビタミン類の摂取もできます。遠い昔から重宝されてきた桑ですが、現代では各地で野生化し、邪魔者扱いされているきらいもありますが、本来は人間にとって大変有用な植物です。是非、生活の中で活用していただきたいものです。
セイタカアワダチソウの酢味噌和え
- セイタカアワダチソウの先芽は、5分程度茹でてから水に20分程度さらす。水は3回程度取り替える。
- 良く絞ってから、3cm程度の食べやすいサイズに切る(ほうれん草のお浸し程度のサイズ感)。
- 酢味噌に和えて出来上がり。
<材料>
・味噌 大さじ2
・酢 大さじ1
・砂糖 大さじ1強
<作り方>
・上記の材料をボウルに入れて良くかき混ぜたら出来上がり。
・砂糖の代わりにみりんでも可。
シロザの磯辺和え
- シロザの先芽を3分程度茹でてから、10分水にさらす。
- 良く絞ってから、3cm程度の食べやすいサイズに切る(ほうれん草のお浸し程度のサイズ感)。
- 1cm角程度にちぎったノリをボウルに入れ、しょうゆをヒタヒタになるまで入れて、15分置く。
- ボウルに2と3を入れて和え、胡麻を散らしてかき混ぜたら出来上がり。
<材料>
・海苔 適量
・醤油 適量
・胡麻 適量
ハコベの三杯酢和え
- ハコベを水で洗う。
- 1を3分程度茹でてから、15分水にさらす。
- 良く絞ってから、3cm程度の食べやすいサイズに切る(ほうれん草のお浸し程度のサイズ感)。
- 器に盛り、三杯酢を掛けて出来上がり。
<材料>
・ハコベの柔らかい部分(先端10cm程度) 適量
・三杯酢 適量
<材料>
・酢 大さじ3
・醤油 大さじ1
・砂糖 大さじ1
<作り方>
・上記の材料を鍋に入れて火にかけ、湯気が立ったら火から降ろす(沸騰させない)。
・室温になるまで待ってから、冷蔵庫で冷やす。
ハーブティー(カキドオシ)(石垣産の月桃:番外編)
- 湯を沸かす。
- カキドオシも、月桃も、鍋や急須に入るサイズに切る。
- 鍋もしくは急須に2を入れ、1を注ぎ入れる。(お茶を入れる要領で。)
- 5分以上経ってから、湯呑に注いで出来上がり。
<材料>
・月桃(生もしくは乾燥したもの)※ 適量
・カキドオシ(生) 適量
月桃は番外編で、エンライトが石垣島で採取したものです。関東地区に自生しているものではありません。
ハーブティーの作り方は、基本的には上記のとおりです。葉の種類によって、生で使うか、乾燥させて使うかを選びます。いろいろ試してみると面白いです。
急須に入れて置く時間を調整することで、香りや味、風味が変化します。複数の葉っぱをブレンドするなど、いろいろと試してみて好みのハーブティーを見つけましょう。
あらゆる野草がハーブティーになります。薬効も様々で、手軽に摂取できることも魅力です。
そのうちに、お茶は完全に自給自足できるようになりますよ。コーヒーを自給したいのであれば、タンポポの根っこを使って、ノンカフェインのコーヒー風味の飲料を作ることもできます。
野草料理は嬉しい、愉しい、美味しい
参加者の皆さまと共に協力して作った野草料理の数々。笑顔と喜びにあふれる素晴らしい場となりました。
また、皆様の熱心に学ぼうとする姿勢を強く感じて、講師として大変やりがいのある充実した時間を過ごさせていただきました。感謝いたします。
このような、素晴らし体験を、今後も是非多くの方と共有したいと思います。
講座にご参加いただきました皆さま、主催の「花と光の学舎 halu未来学園様」、そしてこの記事をご覧の皆さま。ありがとうございました。