小さい頃に誰もが一度は手にする自然の恵み、ドングリ。アニメ映画「となりのトトロ」でもドングリは重要な役割を担っています。そんなドングリの中でも、アク抜き不要で大きくて意外と美味しい「マテバシイ」の食べ方をご紹介します。
マテバシイはブナ科の常緑高木で、9月頃に2~3cm程度のぷっくりとした形のドングリをたわわに実らせます。その量の多さは圧巻で、公園に植わっている木の下には足の踏み場もないくらいのドングリで覆われることもあります。
一般的にドングリは渋みやえぐみが多く、茹でただけでは食べる事が難しいという印象があるかもしれません。栗によく似たトチの実も、茹でただでは到底食べることはできません。ところが「マテバシイ」と「シイ」のドングリはえぐみが無く、栗のような風味と少し硬めの歯ざわりが特徴で、十分に美味しくいただくことができます。
今回は、2つの調理方法で作ってみました。
これが一番簡単で「はやい・うまい・タダ(無料)」という三拍子そろったドングリという食材を堪能できる調理方法です。甘みの穏やかな甘栗といった感じの仕上がりになります。フライパンはテフロン加工の物は使わず、スキレットなど鉄製の物を使用することで、十分に炒ることができます。殻は栗と同様に硬いですが、プライヤーにドングリを縦方向に噛ませると割りやすいです。
炒ったドングリは1日置いておくと固くなってしまいます。そこで、甘露煮にすることで、1週間程度は冷蔵保存の効く甘露煮もお勧めです。多量に作って冷凍保存しておけば、長期間楽しむことができます。お味は栗の甘露煮にそっくり。サイズ感が花豆に近いこともあり、栗風味の煮豆といった仕上がりになります。
作り方です。まず、鍋で殻付きのまま30分程度茹でます。鍋から取り出して覚めてから、1個ずつプライヤーを使って殻を割ります(この作業に手間が掛かります。このまま食べても美味しいです。)。渋皮もきれいにはがれるはずです。もし、渋皮が上手く剥けない場合は、向いたドングリを一度鍋に入れて10分程度茹でるときれいに取れます。
次に、向き終わったドングリを鍋に入れ、ドングリの重量の半量程度の砂糖を入れてたら鍋に入れたドングリの上面から2cm程度の所まで水を入れます。鍋を火にかけ、なべ底に汁気が多少残る程度まで、時折かき混ぜながら煮込みます。粗熱が取れたら、冷蔵庫か冷凍庫に入れて保管します。
他の活用方法
縄文時代はドングリを粉末状にすり潰してから、肉や菜類などを混ぜ込んで焼いた「縄文クッキー」と呼ばれるものを食べていた痕跡があるそうです。ちょうど、小麦粉のつなぎの様な役割だったのでしょう。これに習えば、粉末状にして保管する方法や、ペースト状にして保管する方法も採用できそうです。
まとめ
ドングリは意外にも美味しくいただくことができます。ただし、種類を選ぶ必要があります。お勧めのドングリはマデバシイです。栗と違って誰にも拾われることがなく、大量に収穫できます。栄養価も高いそうです。さらに子供と一緒にドングリを拾って食べるという体験は、良き思いでとなるでしょうし食育や歴史教育にもつながります。一度はお試しあれ。
今日もありがとうございました。